五行から分類へ:命理の思考はどこから来たのか
五行は神秘のスローガンではなく、分類とデータ蓄積の道具。中外の元素体系を対照し、紫微斗数が人事万物をどう分けるかを読み解きます。
命理学を論じる人の多くは、陰陽五行をひと続きの決まり文句のように口にします。梁啟超先生は「陰陽自陰陽,五行自五行」と述べました。
日本語訳:「陰陽は陰陽、五行は五行であり、それぞれ別のものです。」つまり、両者はまったく異なる思考論理と方法であるという意味です。
陰陽の論理は何のためにあるのか
陰陽という文字は、紀元前数千年頃の殷商の甲骨文に、すでに見られます。
陽とは太陽に向いて光があるところ、すなわち光線が山林を通り抜ける状態です。陰とは太陽を背にして光がなく、山脈に遮られて光が届かない状態です。これは人類文明初期の二元的な思考論理です。
『黃帝書』(戦国時代)では、あらゆる議論は陰陽の大義に基づくとして、次のように詳しく説明しています。
天陽地陰;春陽秋陰,主陽臣陰,男陽女陰,兄陽弟陰。長陽少陰,貴陽賤陰。達陽窮陰。制人者陽,受人陽制者制……
日本語訳:天は陽で地は陰、春は陽で秋は陰、君主は陽で臣下は陰、男は陽で女は陰、兄は陽で弟は陰です。年長は陽で年少は陰、尊貴は陽で卑賤は陰です。栄達は陽で困窮は陰です。人を制する者は陽であり、人に制せられる者は陰です……。
このような二元的弁証法は、自然から個人、さらに集団に至るまで、すべてをその範囲に含みます。
陰陽が五行を生むとは何のためか
易を学ぶ人は、しばしば次のようにいいます。
無極生太極,太極生五行,五行生萬物
日本語訳:無極は太極を生み、太極は五行を生み、五行は万物を生みます。
この三段階の連鎖推論は、玄学界の聖典にある金言のように奉られています。
しかし、この立論にはどのような根拠があるのでしょうか。『黃帝內經』は、天地万物が気(き)から始まると論じています。「気」とは何でしょうか。気とは風です。天地の間は真空ではなく、気に満ち、それが媒介となっています。まるで神秘的なエネルギーのように、四時の気、天気、地気などと呼ばれますが、道を聞いた人の多くは、分かったようで実はよく分かっていません。
北京の故宮内廷には、乾清宮、坤寧宮、交泰宮という三つの宮があります。中央に位置する交泰は、『易經』の卦であり、気が合わさる場所、すなわち天地の間の「交通」を意味します。この交通は、あなたがタクシーを呼び、私が高速鉄道に乗るという意味ではなく、万物が通じ合うことです。
現代人が少し明晰に考えれば、これは実のところ正・反・合の論理、すなわち弁証法的論理だと気づきます。
五行の論理は何のためにあるのか
儒家の経典『尚書』には、次のようにあります。
五行:一曰水,二曰火,三曰木,四曰金,五曰土
日本語訳:五行とは、第一を水、第二を火、第三を木、第四を金、第五を土といいます。
そして陰陽五行論によって、世の中の万物を説明していきます。
五行の中核となる第一原理は分類であり、その応用はデータを蓄積して分析することです。曖昧で形而上的に表現すれば、「陰陽は本であり、五行は用である」となります。
分類と統計は、進化心理学において、人間の脳が大草原で識別し推論する論理を説明するものです。「これは食べたら死ぬのか」「この人は信頼できるのか」という問いです。
その論理は、何に毒があり、何が食べられるかという個人の理解から、社会で誰と協力でき、誰と資源を共有できるかという判断へ広がります。
その意味を突き詰めれば、分類による推論は、資源と生存を予測し、協力者と欺く者の特徴を見分けるためのものです。(私の恋心を弄んだ人は、みんな顔が広くて目が大きかった……)
山・医・卜・命・相とは、実のところ古代中国における五行のデータベースです。この五つは中国術数の五術を指します。
- 山:外丹/内丹。五行の生剋によって丹を練り、長寿を目指します(雍正帝も丹薬を服用して中毒死しました……)。座禅/呼吸法を通じて精気を生みます
- 医:脈象、身体の経穴、薬草(『本草綱目』に収録された中薬の引子では、童子の小便は水に属し、大便は火に属します……)
- 卜:卦を立てて、その象意と時期、結果を判断します
- 命:出生時刻、命盤、星宿の位置と出来事を扱います
- 相:人相の特徴と性格を扱います
五行は人類による多重発見の産物
社会的な必要性、文化の蓄積、科学技術が条件を満たせば、人類が世界の異なる地域に分かれて住み、互いに接触していなくても、類似した解決策が現れます。これが、いわゆる「多重発見」(multiple discovery)です。
古代中国に甲骨文があったのと同じ頃、メソポタミアには楔形文字があり、古代エジプトにも象形文字がありました。
古代中国の人々が一万年前に長江・黄河流域で稲や黍を栽培して暮らしていた頃、中央アメリカの人々もトウモロコシを栽培していました。
十六世紀には流体力学と三次方程式、十七世紀には太陽黒点と微積分、近代にはメビウスの輪、蓄音機、放射性物質が、それぞれ多重に発見されました。
分類の論理も同様です。
- インド:五元素 —— 空、風、火、水、地。そこからインド医学、インド風水など、さまざまなものが派生しました
- ギリシャ:四元素 —— 地、水、火、風。因果を説明するものであり、初期の科学と医学でもありました
- 中央アメリカ:地、水、火、風の四元素に三界を重ね、自然予測と神々への祭祀に用いました
古代中国では、殷商の時代からすでに五方(東・西・南・北・中央)の観念があり、節気や方位が絶えず重ねられ、蓄積されてきました。
これは一種の相関的思考(Correlative Thinking)であり、精密ではない連想や推測です。
現代人が玄学を学ぶ際には、いつも「これとこれは少し関係がありそうだ」という論理に直面します。正確に定義することは困難です。しかし Correlative は Category に由来し、その本来の意味も、分類しながら連想することにあります。
五行はデータ蓄積のためにある
なぜ五行の数は五なのでしょうか。人間の脳による分類には固定された原点がなく、異なる文明はそれぞれ異なる数字を選びました。
- 4+1:四季と中心のモデル
- 3:天・人・地の三界モデル
- 5:五元素モデル
数字と占いには関係があるのでしょうか。もちろんあります。いわゆる次の言葉です。
人同此心,心同此理
日本語訳:人の心は同じであり、そこに通じる道理も同じです。
誰もが、声や気の合う者を好むものです。
明 丙午年
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